汐雲丹

汐雲丹とはーどんな食べ物?味や製造方法、食べ方まで

汐雲丹とは

殻から丁寧にウニを取り出し、ウニひとつひとつの水分を、塩を加えながら飛ばし、日持ちする保存用の雲丹へと加工したものです。

日本酒や焼酎と相性抜群、希少な「日本三大珍味」の一つです。

今も製法は昔からそのまま変わらず、原料にはウニ以外は塩しか使っておらず「汐雲丹」わずか2gを作るのに対し約1-2個以上のウニを使って作られます。

ねっとりとした粘度が特徴で、つまようじで少し小豆大くらいの量で磯の香りと濃厚なウニのコク、塩味が広がる逸品です。

大量に製造することのできない希少な珍味ですので、贈答品にも大変おすすめです。

汐雲丹の歴史


「汐雲丹」といっても、あまり聞きなれない方も多いかと思いますが

その歴史は、さかのぼること北前船が盛んな江戸時代の頃からはじまっています。

北陸越前地方は、目の前には日本海という豊かな漁場があり、岩場が多く良質な海藻の育つ漁場をもつことから、良質なウニが古くより獲れていました。

限られた時期にしか味わうことのできないこのウニを、もっと長く楽しめる方法はないかと思案した当時の福井藩主の松平治好公が、「日持ちのするウニの貯蔵品を作るように」

と命じ、塩蔵法を用いて作られたのが「汐雲丹」のはじまりと言われています。

各浜の漁師たちの年貢品の一つとして作られ、福井藩に納められた汐雲丹は

軍事用の備蓄や将軍家・宮家・他藩大名への希少な高級贈答品として使われていたそうです。

江戸の徳川家へ各地より贈られる品々の中でも

「長崎奉行の持品のからすみ」

「尾張公の持品のこのわた」

「越前公の持品の越前の雲丹」

この三品は特別であり大変美味で、いずれも大量製造ができず希少であったことにより、江戸時代より日本三大珍味と称されております。

これが、今も「汐雲丹」が日本三大珍味と言われる所以なのです。

食文化の変化

ところで余談ですが、汐雲丹の作られた江戸時代、北前船という商業船によって日本の食文化は大きく変化したといわれています。

北前船とは、江戸中期から明治30年代ころまで、大阪と北海道を日本海を航行しながら結んでいたいわば経済動脈で、それぞれの寄港地で名産品を売買をしながら商品を運び、

庶民の食卓を変え、文化を築くきっかけとなる重要な船でした。

調べればどんな情報でも知ることができる今とは違い、通信手段が限られていたこの頃、商業の中心であった大阪をはじめ各寄港地でどんな商品が求められているのかを熟知していた北前船は、いわば今の目利きバイヤーと同じ、その頃では人々が知ることも手に入れることもできなかった他地域の商品を売り買いしながら各地に広める仕組みを担っていました。

北海道の名産品であった昆布を寄港地に広め、和食の基礎を作ったり

必需品であった米や塩、綿花や漆器、鉄に至るまで何でも取り扱う、北前船は移動する”総合商社”でした。

北前船の往来があることによって、地元の名産品を作りだす力を生んだこと

そんな当時の環境がなければ、汐雲丹のように地域の特産品は生まれなかったかもしれませんね。

召し上がり方

汐雲丹は塩分が高いため、ほんの少し楊枝などにとってお召し上がりください。少しだけでも磯の香りと濃厚なうにコクが広がります。

たくさんのウニを凝縮して作られたその味は、まさにウニよりもウニ!?最上級の旨味・風味です。

そのまま、少しずつ取りながら、お酒のあてに大根のスライスにちょっと載せて一緒に食べたり

クラッカーにクリームチーズをのせ、その上に少しトッピングしても温かいご飯やお茶漬けにもおすすめですし、うにパスタに少量加えると風味が増し、大変美味しく召し上がっていただけます。

そのままでももちろん、いつもの味に深みを与えたり、様々な召し上がり方をお楽しみいただけます。

“開封後は、冷蔵庫にて乾燥をさけ保管し、約20日間前後なるべく早くお召し上がりください。”

 

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